松尾芭蕉の軌跡を訪ねて~まほろばの道・竹内街道を歩く~

12/182025
(木)

松尾芭蕉の軌跡を訪ねて~まほろばの道・竹内街道を歩く~

秋晴れの一日、日本最古の官道といわれる 竹内街道 を歩いてきました。
奈良の飛鳥と国際都市・難波を結んだ古代の大動脈。その静かな街道に、芭蕉の足跡と、今も息づく歴史を感じる旅となりました。

旅の始まり:當麻寺

まず訪れたのは 當麻寺
中将姫伝説ゆかりの古刹で、境内は秋のさわやかな空気に満ち、心が洗われるようでした。

當麻寺 仁王門(東大門)

特に目を引くのは、入口に立つ 運慶作の金剛力士像(仁王像)
2体のうち吽形は修復中で不在でしたが、阿形像は修復を終えて堂々たる姿でした。

そして驚いたのが、「この阿形像の内部に、かつてミツバチが巣を作っていた」というお話です。
30年ほど前、開いた口から蜂が入り込み、頭部に巣を築いていたのだそうです。悠久の時間が流れるお寺ならではのエピソードです。

金剛力士像(阿形像)

蕎麦の名店で昼食

當麻寺を出たあとは、ミシュランガイド掲載の蕎麦店 「薬庵」 へ。
静かな古民家風の店内でいただく、こだわりの細いお蕎麦は香り高く、旅の良いアクセントになりました。

せいろそば

芭蕉の小径から史跡の丘へ

いよいよ竹内街道へ。
芭蕉の小径」と名付けられた道を進み、「史跡の丘」と呼ばれる古墳群を見学しました。
住宅街のすぐ脇に古墳があるという、奈良らしい日常と歴史の近さに思わず足を止めました。

芭蕉の小径からのすばらしい眺め

芭蕉ゆかりの地:綿弓塚

竹内街道沿い、旧當麻町には芭蕉が句を詠んだ 綿弓塚 があります。
『野ざらし紀行』や『笈の小文』の旅の途中、芭蕉は當麻寺へ参詣する際にこの地に滞在し、街道の風景に心を寄せました。

現地では、芭蕉の句が静かに掲げられています。

綿弓や 琵琶に慰む 竹の奥

建物の内部には一般公募の俳句も飾られており、思わず自分でも一句ひねりたくなるような、穏やかな時間が流れていました。

当時の様子や、公募俳句などが掲示されている

終着点:長尾神社へ

街道をさらに歩いていくと、竹内街道の西端に位置する 長尾神社 に到着。
古代から旅人を見守ってきた荘厳な佇まいに、長い歴史の重みを感じます。

長尾神社

おわりに

最後に、帰りの車の中で即興句会をした時のメンバーの俳句をご紹介します。

街道に テンション上がる みなを見て

秋くれて 葛城道に 笑顔咲く

秋の里 歴史の流れ 道に有り

たけのうち 芭蕉もたたずむ いにしえに

今回の散策では、古代の官道・芭蕉の足跡・地域に息づく暮らしが一つにつながり、とても豊かな時間になりました。
静かな街道を歩く中で、芭蕉が見た景色のかけらに触れられたような気がします。
また季節を変えて歩いてみたい道です。