巡礼の食卓 — 祈りとともに味わう雲仙・島原・天草の恵み

12/152025
(月)

巡礼の食卓 — 祈りとともに味わう雲仙・島原・天草の恵み

前田枢機卿様とご一緒に歩んだ「雲仙・島原・天草巡礼」レポート
(2025年10月23日~26日)
旅行本編記事はこちら

巡礼の旅には、その土地の歴史や信仰と同じように「食との出会い」があります。
地元で受け継がれた料理には、地域の風土と文化、そしてそこに生きる人々の祈りが宿っています。
今回は、巡礼中にいただいた郷土料理を中心に、旅の恵みを少しお裾分けいたします。


■ 1日目:雲仙へ

旅の始まりは、ちゃんぽん or 皿うどん?

10月23日(木) 長崎空港 → 雲仙教会(ミサ)

【昼食|千々石観光センター】

長崎名物といえば真っ先に思い浮かぶ「ちゃんぽん」と「皿うどん」。
中国からの食文化の影響を受けて生まれた長崎らしい一品です。

麺づくりには、独特のコシと風味を生む“唐灰汁(とうあく)が使われてきました。
この使用が認められているのは長崎県のみで、現在はわずか2か所の製麺所だけが製造しているそうです。

ガイドさんいわく、「熊本からでも食べに来たい!」と言われるほどの人気店と聞き、期待が高まります。

スープはコクがありながら優しく、柔らかい豚肉、プリッとした烏賊、そして野菜のシャキシャキ感。遠方から訪れても味わいたくなる一杯でした。


【夕食|東洋九十九ベイホテル】

旅の初日の夕食は「七万石御膳」でした。
地元和牛の陶板焼き、車海老の黄金焼、新鮮なかんぱちの御造り、そして島原名物「具雑煮」。

具雑煮は、島原の乱(1637年)の際に、天草四郎が兵糧の餅と山海の食材を煮て皆で分け合って食べたことが始まりと伝わる郷土料理とのことです。
多くの具材がひとつの椀で調和するように、私たちの巡礼も互いの思いと祈りを分かち合いながら歩めますように…そんな温かさを感じる一杯でした。


■ 2日目:島原の恵み

10月24日(金) 島原教会(ミサ) → 原城跡

【朝食|東洋九十九ベイホテル】

和会席の朝食。地元の味が嬉しいスタートです。
中でも印象的だったのは「とうふ蒲鉾」。
木綿豆腐70%に魚のすり身を合わせた優しい味わいで、島原で100年以上受け継がれる品です。

そして九州らしく、卵焼きはふんわり甘め。
一日の巡礼に向けて、ほっと心が温まる朝食でした。

【昼食|ほうじゅう(島原市)】

島原名物が詰まった御膳。
特に印象に残ったのは、「がんば(トラフグ)」の唐揚げと押し寿司。

「がんば」の由来は、フグには毒があるにもかかわらず、「棺(ガン)ば(を)準備してでも食べたい」と言われるほど美味しいことから。
サクッと軽い衣の中から、ふっくらとした身の旨味が広がりました。

【夕食|東洋九十九ベイホテル】

この日の夕食は「和牛すき焼き御膳」。
巡礼仲間と囲む温かい鍋は心まで満たされます。
ここでも具雑煮が添えられ、島原の食文化をより深く味わえました。


■ 3日目:天草へ渡り、海の恵みをいただく

10月25日(土) フェリーで天草へ → 大江教会(ミサ)

【朝食|東洋九十九ベイホテル】

【昼食|天草洋(苓北町)】

海の幸が豊かな天草らしいお料理。
白身魚のフライ、魚の煮付け、そして「あおさの味噌汁」。
九州の味噌は全体的に甘口傾向で、麦味噌文化が根付いています。
米が少なかった地域の歴史が味噌に表れ、白味噌や合わせ味噌が親しまれてきました。
あおさの香りとともに、海と大地の恵みに感謝がこみ上げる一杯でした。

【夕食|ホテル四季咲館】

カモロースサラダ、焼胡麻豆腐、ヒラメ薄造り、そして目の前で焼かれるあわび踊り焼。バター醤油が香り立ち、まさに「海の恵みをいただく」贅沢なひとときでした。

メインは「くまもと味彩牛ステーキ」。
柔らかい肉質とあっさりとした脂が上品で、巡礼3日目の疲れを癒してくれました。


■ 4日目:世界遺産・崎津へ 祈りの地でいただく、やさしい味

10月26日(日) 崎津教会(ミサ) → 崎津集落散策

【朝食|ホテル四季咲館】

ブッフェスタイル。
海を眺めながらいただく朝食は、最終日の静かな祈りの時間となりました。

【昼食|レストラン シンフォニー(天草市)】

巡礼最後の食事は、彩り豊かなイタリアン。
天草の恵みが随所に活かされていました。

・サワラのカルパッチョ
・バターナッツかぼちゃのポタージュ
・ヒオウギ貝のブルスケッタ
・魚介のピザ
・天草大江産プレミアムポークのクリームパスタ
・熟成イチジク添えパンナコッタ

ヒオウギ貝は色鮮やかな貝殻が印象的で、お土産品としても人気。
イチジクは16世紀に宣教師が持ち込んだとされ、河浦町で受け継がれてきた歴史ある果実。
巡礼の地ならではのストーリーを感じる食卓でした。

**おわりに**

巡礼中の食卓は、ただお腹を満たすものではなく、「その土地の歴史と恵みに触れ、分かち合う時間」でした。

地域の食文化には、キリスト教の歴史や、人々の営み、祈りの積み重ねが息づいています。
同じ食卓を囲むことで、巡礼仲間との絆もさらに深まりました。

皆さまもいつか、雲仙・島原・天草を訪れ、この地の祈りと恵みを味わってみてください。