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(火)
【講演会レポート】前田万葉枢機卿登壇「すべてのいのちを守るために」
2025年9月6日、NHKカルチャー京都教室にて、前田万葉枢機卿が「すべてのいのちを守るために」というテーマで講演を行われました。その様子をお伝えいたします。
講演概要
- テーマ:すべてのいのちを守るために
- 開催日時:2025年9月6日(土)14:00~15:30
- 開催場所:NHKカルチャー京都教室
講演の内容
冒頭では、今年4月に帰天されたフランシスコ教皇について語られました。教皇は常に平和や貧困に寄り添い、核廃絶による平和の実現にも賛同されていました。すべてのいのちを守ることの大切さを強く訴えられ、その誠実で優しいお人柄は、多くの人々の支えとなっていたと枢機卿は温かく振り返られました。
続いて、5月のコンクラーベに参加された際のご経験について、新しく選出されたレオ14世のことにも触れられました。弱い立場の人々を守った教皇レオ13世の精神を受け継ぎ、名をレオ14世とされた新教皇が、着任にあたり最初に発した言葉は「あなた方に平和があるように」であったそうです。
2025年は戦後80年という節目を迎えます。枢機卿は「一人一人が謙虚になり、争いを世界からなくしていかなくてはならない」と強調され、そのためには対話と祈りが欠かせないと語られました。祈りは信頼と希望と愛をもたらすものであり、世界を結びつける力になると説かれました。
また、2025年はカトリックにおいて「聖年」にあたり、今年のテーマは「希望の巡礼者」です。同じく今年に開催されている大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。さらに、枢機卿が関わられたバチカンパビリオン(イタリアパビリオン内)のテーマは「美は希望をもたらす」。いずれも「希望」を中心に据えていることに触れられ、暗闇の中にも光が差す時代にあって、希望を持ち続けることの大切さを繰り返し呼びかけられました。
講演の締めくくりには、枢機卿が代表理事を務められる「一般社団法人26聖人聖画等プロジェクト」の活動について紹介がありました。
聴講を通じて
枢機卿のお話からは、フランシスコ教皇やレオ14世のお人柄がにじみ出ており、大変貴重なお話を伺うことができました。
不安の多い時代にあってこそ、祈りと希望をもって歩むことの大切さを改めて心に刻む講演となりました。