『長崎―閃光の影で―』映画感想レポート

8/62025
(水)

『長崎―閃光の影で―』映画感想レポート

今回は、8月1日より公開された映画『長崎―閃光の影で―』をご紹介します。
長崎に原爆が投下された直後、被爆地で必死に人々の命をつなごうとした三人の看護学生たちの視点から描かれる物語です。

映画公式サイト
https://nagasaki-senkou-movie.jp/

瓦礫と焼け跡、必死に命をつなごうとする人々の姿、そして、生き残ってしまった者たちの葛藤。
映像は過剰な演出に頼ることなく、当時の現場の空気をそのまま伝えています。

戦争映画や原爆を題材にした作品は数多くありますが、この作品は、ただつらいだけの作品ではありません。
そこに生きる若者たちの繊細な心の動き、キリストへの信仰、幼馴染への淡い恋心、家族への思い、そして故郷への祈りが丁寧に織り込まれており、静かな感動が胸に迫ります。

劇中には、浦上天主堂の「被爆マリア像」も登場します。
顔の半分が黒く焼けただれたその姿は、今も現地に残され、平和を祈るシンボルとして多くの人々に知られています。

この作品は、日本カトリック司教協議会の推薦映画でもあり、信仰やいのち、平和について改めて考えさせられる内容でした。

戦後80年の今年、戦争や原爆について考えるきっかけとして、そして、今を生きる私たちが何を選び取っていくのかを問いかける作品として、ぜひ多くの方に観ていただきたい映画です。