岡山聖虚作 26聖人聖画2点が里帰りしました(前田枢機卿 寄稿)

6/162025
(月)

岡山聖虚作 26聖人聖画2点が里帰りしました(前田枢機卿 寄稿)

岡山聖虚の名を知る人は5、6年前までほとんどいませんでした。以前、長崎の彼が描いた聖母子像の掛け軸を目にし、深い感動を覚えました。その絵には人の心を引きつける不思議な魅力があると感じました。

岡山はミッションスクールで美術教師として生涯を送りながら、自らの創作活動を続けていました。特に、日本二十六聖人を題材にした掛け軸26枚を15年の歳月をかけて制作し、時のローマ教皇に献上したことが際立っています。その掛け軸は1931年にバチカン美術館に収蔵されてから約95年が経過し、日本の気候とは異なる乾燥したヨーロッパの環境下で、予想外の劣化が進んでいました。

25年前にこの劣化を知った方がローマへ赴き、修復を試みましたが、膨大な費用のために断念せざるを得ませんでした。その間も劣化は進み、今や緊急の対応が求められています。そこで、2024年4月に「一般社団法人 26聖人聖画等プロジェクト」が発足し、掛け軸の修復と里帰りに取り組みました。そしてついに、聖フランシスコ吉と聖ディエゴ喜斎の原画2点が里帰りし、展示会開催となりました。

ご遺族のご厚意により、大作『アシジの聖フランシスコ』や『エメ・ビリオン神父』を、箕面教会からは『聖パウロ三木』の肖像画を貸していただき玉造教会パウロの部屋に展示しています。

展示会情報
展示会場:大阪高松司教座聖堂(玉造教会・パウロの部屋)
展示期間:2025年6月15日~9月15日(入場料無料・献金箱あり)
展示室開場日時:毎週日曜日、火曜日、木曜日、土曜日の10時~12時、15時~18時
(その他、遠方や団体は、大阪高松司教区事務局に問い合わせください。)

前田万葉