4/222025
(火)
教皇フランシスコ帰天(カトリック大阪高松教区報より)
パパ様の帰天寂しや復活祭
パパ様のご逝去の報に接し、ご復活祭というのに、悲しく寂しさを感じました。
「パパ様の帰天寂しや復活祭」の献句そのものでした。
私は、教皇フランシスコに2014年に大阪大司教に任命され、2018年に枢機卿に親任されました。お会いするたびに、温かく迎え、励ましていただき、まさに霊父・教父といえる存在でした。
私がまだ広島司教だった2014年、韓国で行われたアジア・ユース・デーの際にお会いしたとき、「To Osaka, Takayama Ukon」と話しかけられ、私は何のことかわからないうちに、後日、大阪大司教任命が発表されました。多くの人と挨拶される中でも、一人ひとりに心を向け、丁寧に言葉をかけられるお姿に、優しさと誠実さを感じました。
預かった青年の手紙にお返事をくださり、ある市会議員に預けられたお米を差し出すと、「オオ、ジャパニーズ・ライス!」と喜んで受け取ってくださいました。
教皇は戦争や貧しい人々への思いが深く、私や日本カトリック司教団が訴える核兵器廃絶の願いにも共鳴し、2019年の訪日時には「核兵器廃絶による平和の確立」と「すべてのいのちを守ること」の重要性を力強く発信してくださいました。
教皇来日が発表される前、私たちは枢機卿親任の返礼巡礼で教皇の82歳の誕生日に訪問し、バースデーケーキをお贈りしました。「Please Come to Japan」の呼びかけに対し、「訪日の食前酒(アペリティーヴォ)ですね」と微笑まれたことが、来日実現への確信となり、皆で大いに喜んだ思い出があります。
第16回世界代表司教会議(シノドス)においても、教皇は司教だけでなく老若男女すべてを招かれました。これからの教会が「ともに歩む教会=希望の巡礼者」となるよう祈りつつ、教皇フランシスコの一つひとつの発言を心に刻み、その永遠の安息を祈り続けてまいります。
パパ様の 帰天寂しや 復活祭
— 大司教 前田万葉出典:『カトリック大阪高松教区報 特別号』(2025年4月29日発行)より許可を得て転載。